LIFULL HOME'Sに2020年に掲載された物件のうち、実際の検索・問合せ数から算出した
"実際に探されている街・駅"のランキング結果です。
買って住みたい街は購⼊物件の順位、借りて住みたい街は賃貸物件の順位です。
首都圏(東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県)の
ランキング結果を発表します
買って住みたい
首都圏版
「買って住みたい街」ランキング 総評
1位は2年連続「勝どき」 人気は都心と準近郊ベッドタウンに二極化
首都圏「買って住みたい街」ランキングは、「勝どき」が2020年に続いて1位を獲得しました。2019年は16位だったので、東京五輪選手村跡地の開発がその動向も含めて高い注目を集めていることが分かります。また「白金高輪」が前回の19位から大きく上昇して2位に登場。他にも前回210位から19位に躍進した「牛込柳町」など、2020年に大型開発や道路整備事業で物件が多数分譲され話題になったエリアが上位に進出しており、都心一等地の人気はコロナ禍にあっても依然高いことが明らかです。これはコロナ後を想定して利便性と資産性の高い都心周辺エリアに買って住みたいというニーズ、もしくはコロナ禍で移動の少ない職住近接を実現したいニーズが反映されているものと考えられます。
また、前回2位の「恵比寿」が9位に、同3位の「三鷹」が4位に、「八王子」も2年連続して6位にとどまるなど首都圏で住宅地としての評価が高く、交通と生活の利便性のバランスが良好なエリアは上位をキープしています。物件価格と地域の利便性や生活のしやすさを考慮した結果で根強い人気を維持しているようです。同じく都心周辺では再び8位に返り咲いた「目黒」や10位の「東京」など、バス便を含めた交通の要衝となっている駅拠点性も上位にランクされています。これらは駅周辺の利便性だけでなく、自宅までのアクセスが便利なハブの役割を果たしている駅で、実際に通勤・通学する上で便利に使えるという共通点があります。
こういった従来の利便性重視という選択は見受けられるものの、一方でコロナ禍ではテレワークに対応するように住みたい街の郊外化も発生しています。前回11位から3位に上昇した「本厚木」、同15位から7位となった「柏」、同42位から11位に躍進した「橋本」ほか、13位の「千葉」(前回62位)、14位「平塚」(同39位)、15位「大宮」(同24位)、16位「朝霞」(同29位)などは準近郊~郊外のベッドタウンとしてもともと人気のあったエリアですが、新型コロナの影響で今回はいずれも大きく順位を上げています。これはテレワーク対応だけでなく、感染リスクを少しでも避けたいという意向の表れであり、これらのエリアでは都心周辺の賃貸物件から購入して転居するというケースも散見されます。
特に「借りて住みたい街」首都圏版1位の「本厚木」が「買って住みたい街」でも3位になったことは、準近郊・郊外に位置する街の代表格として注目されていることがよく分かる結果となりました。ちなみに2020年の「本厚木」の中古マンション価格相場は2LDKタイプで1,618万円であるのに対して、「勝どき」では5,664万円と約3.5倍もの価格差があり、コスト面だけを比較しても大きな違いがあることが分かります。
首都圏の「買って住みたい街」は、共に新型コロナの影響によって都心周辺と郊外方面のベッドタウンがニーズの高まりを示すという“二極化”の傾向が鮮明になりました。
借りて住みたい
首都圏版
「借りて住みたい街」ランキング 総評
1位は「本厚木」 4年連続1位の「池袋」 は5位に後退し“郊外化”傾向が明らかに
首都圏「借りて住みたい街」ランキングは、前回から大きくランキングの顔ぶれが変動しました。
前回まで4年連続で1位となった「池袋」に代わって栄冠に輝いたのは「本厚木」、2020年9月に公表したコロナ禍での緊急調査での結果を維持して1位を獲得しました。「本厚木」は前回4位にランクされており、居住環境と都心方面へのアクセスの良さ、手頃な相場家賃などから、都心・近郊エリアが軒並み順位を下げるなか、トップに躍り出ました。
賃貸需要は従来、都心・近郊でどこに移動するにも便利であること、生活利便施設がそろっていて買い物や飲食などに困らないこと、通勤・通学だけでなく余暇を過ごす際にも便利であることなどが人気の条件として挙げられており、前回まではこれらの条件をバランスよく満たしているエリアの名前が上位を占めていました。それが、コロナ禍によって賃貸ユーザーの意向に大きな変化が発生し、感染リスクのより低いエリアに転居したい、またテレワークの実施で毎日通勤しないのであれば、家賃相場が比較的安価な郊外方面で生活したいという要望などが顕在化したものと考えられます。
ちなみに今回1位の「本厚木」は1LDKの2020年家賃相場が68,890円であるのに対して、前回1位&今回5位の「池袋」は133,516円と2倍近くの差があることからも、利便性最優先でなくなればコストを考慮して郊外方面での生活をイメージする賃貸ユーザーが増えることが想定されます。
この“郊外化”については、4位の「八王子」(前回7位)、6位「千葉」(同14位)、9位「柏」(同16位)、13位「船橋」(同21位)、17位「川口」(同32位)、21位「津田沼」(同34位)、27位「平塚」(同40位)などが大きくランクアップして上位に登場してきたことも、同様の現象と考えることができます。
上位以外では、前回調査で141位だった「木更津」が41位に、117位だった「湘南台」が53位に、134位だった「茅ケ崎」も62位とベスト100圏内に上昇しており、ここでも賃貸ユーザーの郊外化傾向が顕著です。
対照的に、5位に後退した「池袋」を始めとして、「川崎」(前回3位→今回10位)、「荻窪」(8位→15位)、「三軒茶屋」(6位→16位)、「吉祥寺」(9位→18位)、「北千住」(10位→23位)など、これまで都心周辺の人気だったエリアが軒並みランクダウンとなりました。
このコロナの影響による“郊外化”の傾向はまさにコロナ禍での一過性のものなのか、それともこれを契機としてテレワークやオンライン授業が定着し、都心集中が薄らぐなかで賃貸ユーザーのエリア選択に本格的な変化が生じるのか、今後の動向に注目です。
買って住みたい・借りて住みたい街ランキング
- 対象期間
- 2020年1月1日 ~ 2020年12月31日
- 対象者
- LIFULL HOME’S ユーザー
首都圏は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県を対象とした
- 集計方法
- LIFULL HOME’S に掲載された賃貸物件・購入物件のうち、問合せの多かった駅名をそれぞれ集計
- 分析
- LIFULL HOME’S 総研
過去の住みたい街ランキング
過去に実施した住みたい街ランキングはこちらからご覧いただけます。一部調査手法が異なります。
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本件に関するお問い合わせ先
株式会社LIFULL(ライフル)
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