老いるマンション。老朽化の3つの問題を考える、そして今後について

老朽化マンション 社会

老いるマンション。老朽化の3つの問題を考える、そして今後について

古いアパート

StockSnapによるPixabayからの画像

今後、人口が減っていく日本。これは、紛れもない事実です。

空き家率も年々増加しているのに、都市部を中心に建設が進んでいます。

新しくマンションができる一方で、すでに建つマンションでは「3つの老い」が問題となっています。

建物の老朽化

住民の高齢化

管理業務の担い手不足

の3つが問題となっています。

老いるマンション 建物の老朽化

今、築40年以上の高経年のマンションが年々増えています。

しかし、マンションの建て替えがなかなか進んでいません。

マンションが老朽化すると、耐震性の問題、建物・設備の劣化、資産価値の低下などの問題が生じます。

耐震性の問題

日本は地震国と言われていますので、マンションの耐震性はとても重要です。

1981年に建築基準法が改正となりましたが、築約40年超のマンションは法改正以前の「旧耐震基準」で建てられた物件となります。

「旧耐性基準」で建てられたマンションは震度6~7の地震で倒壊する恐れがあるそうで、南海トラフ地震など今後起きると言われている大地震に耐えられないと言われています。

建物・設備の劣化

築年数が長くなれば当然、建物は劣化していきます。外壁や階段・共有老化の壁・天井などにひびが入ってきて、そこから雨水が入り込み雨漏りが生じたりします。

また、水道管や排水管などの水回り設備は劣化が進みやすい設備で、老朽化すると詰まりやすくなり給排水機能が低下してしまいます。

資産価値の低下

一般的にマンションは購入する直後に評価額は20%前後落ちるそうです。その後も築年数とともに下がり、築25年~30年で大きく価値が落ちると言われてます。

ちなみに築30年以上は下げ止まりになる傾向があるようですが。


老いるマンション 住民の高齢化

老人 ゴミ出し

国土交通省によりますと、マンション居住者の世帯主の年齢は1999年と比較し2018年は60歳以上の割合が25%から49%に拡大したとのことです。

修繕積立金の問題

マンションは築年数が長くなるほど、修繕コストが高くなる傾向があります。その一方で住民の年齢が高くなれば年金で生活している人も多く、修繕積立金の支払い余力に限界が出てきます。

大規模な修繕には区分所有者の4分の3以上の多数による集会で決議すると言われており、高齢者などからの反対で修繕がすすまないケースも多いようです。

そうなると、マンションの資産価値は低下してしまうでしょう。

ちなみに国土交通省の調査では、2018年に修繕積立金の積立額が計画に比べ不足しているマンションは34%、このうち20%以上不足しているのは15%とのことです。

主に誰も住まない住居の所有者が滞納するケースも多く、マンション管理が立ちゆかなくなる問題が多くなってきてしまってます。

バリアフリーの問題

今でこそ、床に段差のないバリアフリー設計は当たり前かもしれませんが、1996年以前のマンションでは考慮されておらず、段差がある箇所が多くあります。

若いうちは、段差も気になりませんが、歳をとると足の筋力が低下し、フレイルと呼ばれるすり足のような歩き方になり、物につまずいたり転倒し骨折したりする可能性が高くなります。

また、高齢者の骨折は介護が必要となるケースが多くなると言われてます。

老いるマンション 管理業務の担い手不足

マンション管理人

清掃やゴミ出し、駐車場管理などの実務を担う管理人の不足と高齢化も問題となってきています。

管理会社は定年退職した会社員を多く受け入れ管理人として派遣してきてましたが、昨今、企業での定年引上げの影響もあり人手不足と高齢化が深刻となっております。

マンション管理協会が2020年に実施した調査では、会員会社の管理人の雇用状況は69%が不足していると回答したとのことです。

それに加えて、コロナウィルスの影響で在宅勤務をする人が増え、家庭ごみの増加や住民間の騒音トラブルの対応なども急増しているようです。

老いたマンションの未来を明るくするには

老朽化マンション

老いたマンションの未来を明るくするには、住民の手間や維持費などの負担を減らし、資産価値の維持につなげなくてはなりません。

そのためには、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を取り入れることが必要と言われてます。

管理業務にAIを導入

管理人の不在時や巡回時などの不在時も居住者からの共有設備や申請などをAIが回答。

⇒不足している管理人を補うことができる。

理事会にWEBを活用

対面では多忙や高齢を理由に理事会を断ることが多いなか、ネットで参加しやすくする。

⇒マンション問題や修繕工事について話し、合意形成が図りやすくなる。

ついては、資産価値の維持にもつながる。

 

DXを取り入れることは必要なのですが、その前に高齢者のデジタル知識の習得も必要不可欠ですね。

そのような講習をマンションの理事会などで定期的に行って行かなければならないでしょうね。

今、若者に「昭和レトロブーム」が起こっており、話題となっています。

ノスタルジックな純喫茶や食堂、商店街、飲み屋横丁などが人気を博しています。

老いたマンションにもノスタルジックを感じた若い世代を呼び込むことが出来れば、明るい未来があるような気がします。

人口が減っていいく日本、もはやマンションは新しく建てるのではなく、リノベイトする時代ですよ。

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